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感染者数が急増中の梅毒ってどんな症状?

現代の脳外科医が江戸時代にタイムスリップしたというドラマ「JIN-仁ー」でも取り上げられた梅毒は、このドラマの通り、江戸時代は死に至る恐ろしい病気で不治の病とされていました。
しかしペニシリンの発明で、この病も治療可能となっています。

1933年以降20年間にわたって、日本の梅毒の患者数は1000人を下回っていました。
しかし、2013年に1000人を超えてからは、著しく増加しています。
2017年には、なんと44年ぶりに患者数が4000人を超えてしまいました。
明らかに急増中です。

大阪市内の産婦人科医らは、ここ数年間は風俗で働いている人よりも主婦やOLの患者が増えていることを実感しています。
国立感染症研究所によると、2017年1月から12月3日までに、5279人の梅毒患者が発生しました。
母子感染した先天性梅毒の患者も、日本国内では長い間、一桁台だったのが、2014年は10人、2015年は13人に増加しています。
対処が遅れると、子どもが将来失明したり耳が聞こえなくなる後遺症を残すリスクもあります。

では、梅毒になったらどのような症状が出るのでしょうか。
感染後によくみられる症状に、発疹や皮膚の潰瘍があります。
これらは痛みやかゆみを伴わないことが多く、しばらくすると消えてしまいます。
しかし、この時期も感染力は強いので、性交渉で相手に移ると思っておくべきです。
また、長年患者数が少なかったため、梅毒の患者さんを診察した経験が一度もない医師も多いです。
皮膚の発疹や皮膚の潰瘍を見ても梅毒だとは気がつかないというケースもあるのではと、懸念されています。

さらに、梅毒は万病の真似をしているかのように多彩な症状を来します。
初期は、特徴的な症状がないので、他の病気と誤診される可能性もあります。
では、どのような多彩な症状が出るのでしょうか。
梅毒の症状は3×3で、3週間後と3か月後と3年後に変化があると言われています。
性交による感染から約3週間後に、外陰部に赤く硬い出来物が現れます(初期硬結と言います)。
その後、出来物の中央部がただれて潰瘍となりますが、痛みやかゆみはありません。

3ヶ月から3年の間によくみられる症状は、微熱やだるさです。
また、バラ疹と呼ばれる赤いポツポツとした紅斑が全身に見られますが、数日で消えます。
肛門などにイボのようなコンジローマという結節が多発したり、乾癬という皮膚病に似た皮疹が出ることもあります。
このように、特徴的な症状がないので見逃されやすいのです。
そして3年~10年でゴム腫と呼ばれる肉芽腫が肝臓や皮下や骨にできたり、顔面に梅毒疹が出ます。

抗生物質の1種、アンピシリンで治療しよう

3ヶ月も経てば、明らかに異常だと判る症状が出てきます。
コンジローマは、見た目的にも気持ち悪いと感じるでしょう。
ここまでくれば、病気だと思って医療機関を受診するはずです。

しかし、単なるコンジローマで済まされてしまい、見逃される可能性も少なくありません。
できるだけ早く気づいて早く治療を開始して、感染を蔓延させないことが重要です。
梅毒の原因は、感染者との性交渉とお母さんからの母子感染です。
原因菌は梅毒トレポネーマという細菌です。

現在は男女ともに不特定多数の人と性交渉を持つ人が増えているので、不特定×不特定で広がっていくと、たちまちネズミ算の如く感染が蔓延してしまいます。
性交渉後に異変に気がついた時は、婦人科を受診しましょう。
性病は馴染みがないだけにどのような治療方法になるのかと、不安だとは思います。
しかし、怖い治療や痛い治療ではないので、安心して早いうちに受診してください。

梅毒かどうかは、皮疹を少し削るか切るかして採取して顕微鏡で観察する方法や、採血をして調べれば判明します。

治療方法は、アンピシリンやアモキシシリンと呼ばれる薬を飲むだけです。
ドラマの「JIN-仁ー」では、主人公の医師が梅毒の患者さんを助けるために、まだ開発されていないペニシリンを開発していました。
まだペニシリンが開発されていなかった江戸時代は、梅毒は不治の病でした。
しかし今はペニシリンがあるので、不治の病ではありません。

アンピシリンやアモキシシリンは抗生物質で、ペニシリンの一種です。
これらのペニシリンが梅毒治療の第一選択薬となっていますが。
ペニシリンにアレルギーがある人は、マクロライド系抗生物質などを使います。
梅毒は一度感染したら二度と感染しない、というタイプの感染症ではありません。
しっかりと治療しましょう。
回復してからも予防を怠ると、また感染してしまいます。

性交渉後に体調の異変に気がついた時や、上記のような症状が出た場合は、早期のうちに婦人科や感染症科を受診してください。
性交渉後3週間後の第1期の症状を見逃さないようにしたいものです。
また、診断がはっきりとするまでは、性交渉を控えて梅毒を蔓延させないようにしましょう。